激しい咳風邪でエホエホして頭から旅の記憶がふり落とされたような気もします。
寄り道ばかりしてないで巡礼の道を急がねば。
鉄旅を終えて最終日はベレン地区の世界遺産を巡り、テージョ川の対岸に渡って旬のイワシを食べる。
抜けるような快晴で、ようやく持参の帽子と夏服の出番。
ベレン駅で降りてテージョ川沿いの道をぶらぶら歩くのが気持ちいい。
世界遺産ベレンの塔とジェロニモス修道院、どちらも素敵であったが私としてはベレンの塔に軍配を上げたい。
川岸に楚々と建つ姿は司馬遼太郎先生をして「テージョ川の貴婦人」と言わしめた美しさであるがもとは要塞、
砲台があったり水牢があったり見た目と違いけっこう物々しい貴婦人であります。
あまりの暑さにジェロニモス修道院で一休み・・・していたら甘いものが欲しくなったので、すぐ近くの
ここは門外不出の修道院レシピで焼くパステス・デ・ナタがポルトガル1美味いというお噂の店。
まあエッグタルトもそんなに好きじゃないんだけど、せっかくだから・・・と2個注文してペロリ。
焼きたてあっつあつはクリームも案外アッサリしてるし皮は春巻みたいにパリッパリ。
今時カプチーノでこの生クリーム、アリなのか?勿体ないのでナタにつけて食べました。
お店の他のお菓子を何か買って行こうかなと思ったけど、テイクアウトコーナーは観光客で激混み・・・。
甘い物で腹一杯にしてる場合ではないのでフェリーの乗換駅、カイス・ド・ソドレまで戻って川を
渡ってお昼ご飯にする。
フェリーは5、6航路あってここから目指すカシーリャスまでは片道10分ほど。近。
水上から見るリスボンの街並みは空の青と屋根のテラコッタと川の緑とで乙な眺め。(写真ないけどね)
鉄の旅も楽しいがフェリーのような船旅もテンション上がります。
船着き場の近くには魚料理のレストランやカフェがいくつも並んでいたけど、目指す店マルティンスは
もう少し先。5分も歩くと住宅街に差し掛かり、フェリーが通勤とか生活の足であることがよくわかる。
お昼のピークをとうに過ぎたお店には他に客が2組ほど。イワシの炭火焼を頼んだら韓国料理よろしく
パンだのサラダだの頼みもしないサイドメニューがいろいろ出て来る。
これは手をつけなければお金は取られないのだが、野菜食べてないしなーとサラダを一口食べたとこで
イワシ登場!
6匹のイワシ、1人で食べられるかなあと心配したけど持参の割り箸に持ち替えた途端、敵討ちの
ような集中力で食べてしまった。
子どもの頃はイワシの小骨とか苦手だったけど、脂がのっててたいそう旨い。
旨いから手が止まらないのだが、手を止めるとお皿を下げられてしまうのではないかと何かから逃げる
ように平らげてしまった。(・・・なので写真はありません)
日本人だなと思ったのは、パンで魚を食べられなかったことだ。
醤油も持ってくれば良かったなあ・・・。
カシーリャスには三毛猫がいた。
リスボンでは猫を見かけないなあと思ってたけど、猫も美味しい魚を求めて川を渡ってくるのかもしれん。