出版や広告に関わっていると思わぬところから修正を余儀なくされることがあります。
最近「えっ?」と思ったのは、青ざめた表情にするため目元を青く塗ったら、
「青色、トル」
とリクエストが来たことで、今まで散々、いろんなとこでやってきたのに
初めて修正を申し付けられたので
なぜ??今更??
と思ったのですが、どうやら痣に見えるということらしいのです。
モノクロのマンガだったら、ストライプで表現するところですが、カラーだと
直接痣を連想させてしまうらしいのです。
児童福祉系の媒体なのでそこらへんは慎重に配慮を重ねた結果なのでしょう。
そもそもキマ子自体、当初は犬猫のような口元だったのが
差別的表現と受け取れる、ということで今の形に落ち着いています。
それで思い出したのが、サブキャラ権田原かをるさん。
この人です。
特にモデルはいませんが、キマ子の親友キャラとしてよく登場します。
この人は誕生した当初はこんな感じでした。
↓
おっさんですね。
何かインパクトのあるサブキャラを、と思って作ったのがこれでした。
ワハハ本舗の梅垣さんとカールおじさんを足したようなキャラだったんですね。
かれこれ10年以上前に誕生しました。
その後、女性誌で仕事することが多かったものですから、おネエ系キャラに
したら面白かろう、ということで少し方向変換と性転換をはかります。
↓
面白がって描いていたら、当時一緒に仕事をしていたメイクアップ関係の方に
「実際にこういう容貌の女性って、いると思うのよね・・・」
とポツリと指摘されました。
そしておそらくこのイラストを目にしたら、傷つくんじゃないか?ということも。
事実は小説より奇なり、と申します・・・。
タラコ唇系の女子には「親近感が湧く」と好評だったかをるさんですが、
もしかしたら似ていることで悲しむ人もいるかもしれない。
というワケで現在のように顔の約半分がクチビル、という
さすがにこんな顔いねーだろ、というかなりファンタジックな表現に
落ち着いたわけです。
人に歴史あり。
権田原かをる編でした。